厚岸町を巡る旅
太平洋シーサイドラインの地名・浜中から厚岸まで‼

チンベの鼻(あやめが原)

厚岸町01

珍しい地名だが意味の方は手元に判断する材料が殆どない。チンベの鼻(アヤメが原)の基部の地名で、チンは獣皮を乾かす所と云う可能性はあるが、武四郎の日誌にはノテトとシヨチセンベと二つあり、シヨチセンベは今は小チンベと呼ばれる所。三つのチンベ共通点は崖を伴った岬、シヨチセンベが詰まってチンベとなり岬の「鼻」が付いたのか?専門家は“ピシヨイチセウベッ”と、意味は全く違うが。地名解には“ノテトノツエトの急言”と書かれているだけ・・チンベの鼻の「鼻」は岬の意味。大黒島と小島の展望台があり、道東有数のアヤメ群生地で観光地。

小島 こじま

厚岸町02

ピリカウタから見ると手前の小さな島が小島で沖側が大黒島となる。大黒島は“ポロモシリ”小島の方は“ポンモシリ”と呼ばれた。昆布魚用の漁港が出来ていている。スタートラインに並んだ船か一斉にスタートしていく光景は壮観。

大黒島 だいこくじま

厚岸町床潭01

地名解には”シューオマイ 鍋有るところ”と書き“神ノ鍋アリ故ニ名ズク”とある。松浦日誌では“モシリカ 今は大黒島と云・・その形ち丸くして大黒天の頭の如し・”と当時から既に大黒島と呼ばれていた。アヤメが原から見ると鍋か大黒天の頭かは想定外なのだが、松浦日誌では神ノ鍋と呼ばれた所は別になっている。此島は鳥獣の保護区に指定され上陸禁止となっていて厳重に管理されている。

幌万別

末広から床丹に向かう途中に有る集落名で川の名前。地形図には水線は有るが川名の記載は無い。地名解では“ホスマ・ペツ 毛川”と。武四郎の日誌で“ホロヌマヘツ 訛りてホロマヘツと云う・・毛の如き細き草あるより号るなり”と書き記しているが。更科地名解では“ポルオマンペッ”で穴から流れでる川と、もしかすると水源は湧水か・

ピリカウタピリカオタ pirka-ota

厚岸町床潭02

小島の前にある海岸でピリカは良い綺麗なウタは“オタ”で砂浜と言うことだが最近はこの海岸の砂浜が浸食されて少なくなってきているのが気になる。少し手前にピリカウタ展望台が有り緊急時の避難場所にもなっているが、此所は元はインカルシと呼ばれた所と思われる。展望はよい。

床潭 とこたん 床潭沼to-kotan

厚岸町床潭03

地名解では“トコタン 沼村 廃村ノ意ニアラズトアイヌ云ウ”と記した。廃村ではなく沼の村ということなのでしよう。集落の傍に床丹沼かあり此処には緋ブナが生息していて、貴重な魚類として保護されている。岸辺まで行くことも可能。北海道指定天然記念物。

アイニンカップ岬アィカプ ay-kap

厚岸町床潭04

床丹の際にある岬で高さは80m程有る険しい岬。地名解では“アエニンカッ 矢達セヌ處”と更にその説明が有る。徒歩で歩いては行けるようだが詳しい情報は無い。地形図には道は通っているが。アィカッが二つ並んで紛らわしいため、こちらをアエニンカップと呼んだと云う。

筑紫恋 ちくしこい

厚岸町03

地名解では“チクシコイ 路浪 波浪ノ路ヲ起ス處”と記す。海岸の通路で大きな波が路を越す所、通行する時は浪の合間を縫って通らなければならない所であったのだろう。斜里町の宇登呂の地名の中にも似た地名が有る。

アイカップ岬 愛冠アィカプ ay-kap

厚岸町04

“aikap”は矢なら届かない、道としては越えられないと云う事で、出来ない事を意味する様だ。日常では不器用な事を云うらしい。この地名は各地に有るが何れも断崖絶壁の難所が多い。アイニンカップは2つあるアィカッを区別するためとの事で意味は同じ。愛冠は標高70m以上の断崖の岬で厚岸町の観光名所で「愛の鐘」がある。

バラサン岬パラサン para-san

地名解は“パラサン 高平ノ地”と書いてある。バラサンとは広い棚の様な平山を云う様で、野獣をとる平落としという罠の事も意味する。岬の岩層がその平落としに似ていた事からのその名があるという。そのためか厚岸には魔物が近よらなかったとか。国泰寺の境内からバラサン岬に登る遊歩道があるがかなり荒れている。

厚岸から釧路町まで

厚岸 あっけしアッニケシト at-ni-kes-to

厚岸町05

地名解では“アツケシトー 楡下ノ沼 厚岸原名ナレドモ今ノ厚岸ニアラズ眞龍村ニ有リシ小沼ナリ”と、元々は眞龍に有った小さな沼の名前でそこに有った会所が移った事による。厚岸湖は元々は“ポロトー”と呼ばれていた様です。厚岸の会所跡には石碑が建っています。

門静 もんしずモィシュッ moy-sut

厚岸町06

根室本線の門静駅が有る。アイヌ語の“モィスッ 入り江の根元”という意味。地名解では“湾の傍”としているが傍と根本ではかなり印象が変わってくる。ただ位置的に見て大きなな矛盾は無いが。比較的景色は良い所です。

苫多 とまた

厚岸町07

釧路町よりの海岸の地名で東蝦夷日誌では“トマターヲロ”地名解では“トマメタロ”それぞれに解釈はエゾエンゴサクが多くある所と、掘る所の違いは有るが、山田秀三氏はロ→ルで“エンゴサクを掘りに行く道”と云う考察を紹介している。クイズの様で面白いが実際は・・・

尾幌 おぼろオポロペッ o-poro-pet

尾幌川沿いに走るJR根室本線の駅名で町名で一帯を尾幌と呼ぶ。川野名は尾幌川で支流にはオッポロの名がある。地名解では“オポロベツ 川口ノ大ナル川”と記す。下流は蛇行を繰り返す湿原を流れる川であったようだ。昔は厚岸湖に注いでいたが今は水路を切り替えられ直接海へ注ぐ。

奔渡町厚岸湖湾内と湖岸

厚岸町

眞龍町と厚岸湖を挟んだ湖岸沿いの町の名前で昔は小さな沼〈ポン・トー〉が有った事が町名の由来。尚バラサン岬とは反対側の湖口寄りの岬はノテトと呼ばれた所で此処に会所が開かれたのが厚岸の始まりと云われている。武四郎の日誌にもてで来る所で一帯の中心地であった。後ろはお供え山と呼ばれ厚岸大橋や厚岸湖を望む展望台が有る。アイヌチャシの遺蹟が4ヶ所有り古代から重要な場所となっていた様だ。バラサンは地名通りに鹿落としの猟をしたと思われる鹿の骨もでているとか。他にサクラの名所として有名な小野日公園が有る。

イクラウシ川イクタラウシ iktara-us-i?

厚岸湖の南側に広がる耕作地、イクタラウシで(背の低い)竹の群生する所、笹原の事と思われるが、笹が多いこと自体地名になると云う事は普通ではあまり考えられない。厚岸湖の周りは笹の少ない湿原であったという事か。松浦日誌ではイクイラウシと。

東梅 とうばいトパイ to-pa-i

今の地図にはイクラウシ川の付近の地名として使われているが本来は厚岸湖に注ぐ東梅川の河口付近を指したと思われる。地名解では“トーバイ 沼頭ノ處”と記し沼に行く通路としている。更科地名解では沼上としている。“pa”は頭の事で意味はそれほど変わらない。風蓮湖湖畔にも東梅という地名が有るのだがそこは沼上では無かった。

登喜岱 ときたい

地名解では“トーキタイ 沼頭”とだけ書いてあるが沼の頭の一番上の所、文字通り沼頭の事でそこにトキタイ川が注ぐ“kitay⇔キタィ”は頭とか頂上と云う事で、地名としては数は少ないが、道東では他にもある。

別寒辺牛川流域

別寒辺牛川 別寒辺牛 べかんべうし

別寒辺牛川

現在道東で唯一イトウの産卵が確認されている厚岸湖に注ぐ川名。普通に云えば菱の多いという事になるが、湿原の中を流れるとはいえ川に菱が多いというのはスッキリしないが、昔から菱は多かったという。地名解ではペカンペクシとし水の上を通ったからとしている。

糸魚沢 いといざわciray-kari-pet

JR根室本線に沿って流れる辺寒部牛川支流で“チラィカリベッ”を意訳して駅名としたものだが、意味が上手く表現出来ているとは思えないが。北海道で糸魚や知来と云う地名はその殆どがイトウの事だが。

チライカリベツチラィカリペッ ciray-kar-pet

地名解では“糸魚ヲ捕ル川”としているがチラィはイトウでカリは“kar”で取るとした。普通カリベッは本流に回りこみ逆流する川の事を云うが、此川は根室本線に平行し最後はより内陸部に向かう。此処ではイトウの回遊する、捕るという意訳となったものか?

サッテベツ川サッテクペッ sattek-pet

同名の地名が殆どないが“サッテク”は痩せている事で、沼や川などでは水が涸れている状態を云う様だ。ただ単に渇水で涸れているのか伏流で表面が涸れているのかは判らない、サツナイと同じか。

トライベツ川トラィペ to-ray-pe?

地名解では“トライペト 涸れ川”で流れが無くなる事か? ライは別の所でも書いたが死ぬ事“pe=ペ”ならば湿地の水たまり“pet=ペッ”とすると渇水期とは関係なくいつも殆ど流れの無い川(古川)になるも“to”が余分“to”なら沼川か?元の形がライベッかトライペかは解らないが、何となく俗に言う古川の事を指している印象です。

フッポウシフッポウシ hup-po-us

地名解では“小椴松多キ處”と、大きい松が一本~二本で目立つ様な場合には地名として残る事も多いが、小さい松が多いと云う“フッポウシ”がが地名に残るのは珍しい。

タッカルウシ川タッカルシ tat-kar-usi

地名解では“タッカルシ 樺皮ヲ剥ク處”同様の地名は各地に残されているが当時はたき付けとして重要なものだった。最も僕が子供の頃は樺の皮は焚きつけやタイマツにしたりと、とても利用価値の高いものだった。インディアンはカヌーを造ったという。松浦日誌の中でも船を造ったとか屋根をカバの皮でかけたと云う記録がある。

尾幌川流域

南方無去 片無去 かたむさりkatamu-sar-i

ツルコケモモなどが群生している湿原で、それに当て字したもの。湿原は今も残っているし同名の川もある。コケモモといえば果実酒などで人気の有る果実だが、採集は難しいしヒグマの好物となれば危険がつきまとう。

オタクパウシオタクッペウシ o-takuppe-us

地名解では“オタクッパウシ タクッパはヤチの草の名、取りて円山の義に用いる”と書いている“タクッペ”は俗に十勝ボウズで有名な谷地ボウズの事。厳密に言えば十勝ボウズと谷地ボウズは違うのだが、此処では丸い山の事を言ったと云う事の様です。道東には規模の大きな谷地ボウズは釧路湿原と霧多布湿原で割と簡単に見られるが、十勝ボウズは見られる所が少ない。

ホロニタイポロニタィ poro-nitay

ホロニタィでホロは良く地名の頭について大きいとか、大事なという意味に使われるが“ニタィ”林の場合も条件によっては大事なという理解の方が良い場合も有る。

来別 らいべつラィペッ ray-pet

ラィ・ベッ死んだ川くらいの意味が、川の場合は流れが変わって取り残された古川に付けられ様。ただイトウが生息していた事の有る川で当て字の時チが抜けた可能性は・

ルークシュポールルクシホル ru-kusi-horu

町界付近にある川で、ルクシはい峠道の事、ホルは穴とか岩窟の意味、穴だけなら地名に残る事はなさそうで、道の途中で穴を抜ける所があった? 釧路町の昆布盛と厚岸町を結ぶアイヌ時代の交通路が有った様だ。

セタニウシセタニウシ seta-ni-us-i

地名解では“セタニウシ 山梨多キ處”と、北海道では山梨でも通用するが図鑑ではエゾノコリンゴ、所によってはマメリンゴともいう“seta-ni”は“犬の木=エゾノコリンゴ木の果実”のこと。エゾノコリンゴの木のみの時は“setanni”果実だけの事は“setar”と言うようです。地域によって多少の違いがあるかも。

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