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ウトロ市街から約5kmの知床自然センターは知床峠と知床五湖への分岐点に位置する。この一角には自然センターのほか、知床100平方メートル運動ハウス、鳥獣保護区管理センターがあり、フレペの滝への遊歩道の入り口になっている。知床自然センターのお勧めは幅20mの大型スクリーンを誇るダイナビジョン。険しい地形に阻まれて入る事の難しい奥知床の自然を「ワシの目」になって堪能できる。またセンター内には、喫茶・レストラン、売店、自然情報掲示板やロビー展・スライド上映などの館内企画や、自然体験・歩くスキーなどネイチャーセンターとしてのサービスも有る。自然を楽しむためには自然を知ること、守るべきルールを知ることも肝心。まずここで、知床の情報を入手して出かけたらよい。知床に関する資料は知床博物館と知床自然センターの知床に関する出版物販売コーナーで殆ど揃うが。
最後の秘境知床と呼ばれる事が多かった知床は、世界遺産登録されたが、遺産登録区域は斜里町と羅臼町内の生活圏を除き、知床国立公園と知西別岳の更に西方にある遠音別岳周辺までを中心とした地域に海岸部周囲3kmを含んだ総面積71.100haと国内最大規模。世界自然遺産に登録されると言う事は、知床の価値が世界に認められたという事ですが、同時に世界遺産の維持と回復に責任を負うという事。世界遺産知床は海洋を含めた『生態系・生物多様性』という二つの柱で構成され、原生の自然と生態系が残されて初めて輝く、世界自然遺産知床は人類共通の遺産ではあるが観光とは無縁のもの。農林産業としてもはや利用価値の無くなった知床を今度は観光で利用するという考え方では、知床の将来に展望はない。現実の知床はどの様にしても人が踏み込む事の出来なかっ険しい所にだけひっそりと原生の森が残り、他は殆ど人の手によって森の恵みを根こそぎ奪った跡で、知床林道は大規模な森林開発の名残。それでもなおシマフクロウやヒグマなどの野生動物が人間の生活圏から離れて生息出来る貴重な自然が残されている事は素晴らしいと思います。鮭や鱒が遡上できる河川は多いが、殆どは管理された河川で、陸の生態系の頂点のあるヒグマが遡上するサケ・マスを自由に捕獲できるのはテッパンベツ川くらいで、知床の生態系は今にも崩壊寸前の脆さを併せ持っている。砂防ダムの撤去が登録に際しての条件として加えられたのは当然の結果。人の手が入った森は二度と元に戻す事は出来ないが近づける努力は出来る、今知床に必要なのはそういう努力を国なり自治体が真剣に取り組む事で観光の旗振りをすることではない。知床岬には古代の遺跡があり、松浦武四郎がこの地を訪れた時にはコタンが存在した。近代まで人々の生活がここにあり、多くの伝承が残されている地。岬先端部で保護されるべきものは廃村跡に出来た二次的な自然などではなく、かつて此処に暮らした人々の残した伝承や遺跡ではないのか。
知床はアイヌ語で地の端という意味。オホーツク海に突き出した半島は原生自然を持つ地域として、その保全を目的に1964年に国立公園に指定。知床半島は長さ70km、基部の幅が25kmの細長い形をしている。中央部を縦走する山脈は千島火山帯に属し知西別岳から知床峠、最高峰の羅臼岳、活火山の硫黄山や知床岳を経て知床岬へと火山列が続き、これを境に西側はオホーツク海、東側は根室海峡の海岸線で知床国立公園指定面積は38,633ha。山稜部はハイマツを主体とする低木林に覆われ山腹は針広混交林が広がり、海岸線は海蝕により複雑で豪壮な景観をみせる。特にオホーツク海に面する海岸線は100mを越える断崖が連続、フレペ、カムイワッカ、カシュニなどの滝が直接海に注ぎ込み、海鳥類のコロニー等もある。知床半島にはヒグマやエゾシカ、オジロワシ、オオワシなどの大型野生鳥獣など、多様な野生生物が生息し最後の秘境と言われる所以だ。
知床100平方m運動は知床国立公園内の離農跡地の再開発防止と跡地保全のため1980年より斜里町によって開始されたナショナルトラスト運動。『知床で夢を買いませんか』をキャッチフレーズに、民有地買い戻しのため広く寄付を募り1997年3月末(参加者人数49.024人)目標に到達し終了する。引き続き今度は離農跡地を本来の自然生態系に近い状態に復元するべく1997年4月から『100平方m運動の森・トラスト』が同町によって開始され継続中。※100平方m運動の森・トラストへの寄付などは斜里町役場及び知床自然センターインフォメーションにて受付ている。元々は国政の失敗を人の善意で繕うという役人的な発想、国に免罪符を与えたに等しいかも。
総面積 376haの知床自然観察教育林は知床横断道路沿いに位置し、自然の観察、教育、森林の機能の学習の場として利用されている。同じ目的の森は各地に有るが知床の自然観察教育林は極めて樹種が豊富で、ミズナラ、イタヤカエデ、ダケカンバなどの広葉樹とトドマツ、イチイなどの針葉樹がモザイク状に混在し、知床半島の自然が凝縮された形で残され、オホーツク圏でも珍しいエゾユスリハの群落が有り興味深い。ポンホロ沼、幌別川にかかる滝、原生の樹林、鱒の自然産卵が見られる幌別川なと新しい発見がまっている。知床森林センターでは、自然観察教育林で自然観察会を時々行っている。1人で不安な時は利用してください。
知床の魅力は原生の自然の他に野生動物との出会いが有る。春先は海岸付近には蝦夷鹿の群れで道を塞がれる事や、放牧中の牛の様に牧草地いる事も。秋には鷲の仲間が渡ってくる。知床は北海道でもグマの生息密度が群を抜いて高い所。食物連鎖の頂点に君臨する大型哺乳類が生息できる環境に「野生の楽園」の一端を垣間見る。ただヒグマとの遭遇は避けよう→避けるには
根室海峡からオホーツク海にかけて早春はシャチ、春から初夏にかけミンククジラ、夏から秋にかけてマッコウクジラ、ツチクジラ、ゴンドウクジラなど。イルカの仲間ではイシイルカ、ネズミイルカ、カマイルカなどが見られる事も有る。特にまだ流氷のなごりが見られる早春、海流と風と運に次第だが、沖に氷が残り開いた水路を通るシャチの大群を岸近くで見られるチャンスがあるという。
亀のような形のチャシコツ岬には、オホーツク文化期の縦穴住居跡群があり、ウトロ漁港横のオロンコ岩のアイヌ語名は『サマッケワタラ』で高さ58m、学術自然保護地区に指定されている。急な階段があり頂上に展望台がある。岩場にはモイワシャジン、イワベンケイ、センダイハギ、エゾノヨモギギクなどの植物が観察できる。もう一つは宇登呂港に向かうと姿を現す、高さ15m程の岩で、その形からゴジラ岩の愛称で親しまれている。元々は海底火山の溶岩が水に触れて(ハイアロクラスタイト)出来た地層の硬い部分が浸食に耐え残った。知床岬先端部に行くほどハイアロクラスタイトの地層が広く分布(知床層)し奇岩も多くなる。地下の割れ目に沿い上昇してきた溶岩が固まったのを貫入岩と云う様で、規模が小さいと解りやすいが、大きな岩は判りづらい事が多い。オロンコ岩と三角岩は元々は一つの貫入岩で岩の弱い部分が浸食され今の形になった。
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